第1話 「フレームとホイール」
よく雑誌にニューモデルの乗り比べをして、その印象や評価をする記事がありますよね。
いわゆる「○○インプレッション」というやつです。時折、そういう雑誌の記者と話をする機会があって、尋ねてみましたが「やっぱり!」と思いました。
それは、各バイクのホイールを取り替えて試乗すると言う事です。特にロードバイクの乗り味は、フレームとホイールでほぼ決まってしまいます。(もちろんフレームスケルトンの違いもありますが)
言い換えれば、同じフレームでも、ホイールで乗り味が変わってしまうという事です。
雑誌のテストライダーも当然それを知っている為、まず全車のホイールを一つに統一して乗り比べをします。そして、フレームの乗り味をチェック後、オリジナルのホイールに戻してメーカーのコンプリートバイクの持つ総合的な乗り味をチェックします。
しかし、フレームとホイールの間には、それぞれ独自の相性と言う物があります。
もし、メーカーのオリジナルの組み合わせが良くない相性で、同一のホイールでの前者のテストライドの印象が良い結果だとしたら、レポートはその印象が強く反映されたものになりがちです。
なぜかって? 「メーカーさん」は雑誌にとって大事なスポンサーなんです。うがった言い方をすれば、マイナスは±0、プラスはさらに+αといった具合です。でもこれは、ある程度仕方が無いことで、「暮らしの手帖」でもない限り辛口の批評は出ないでしょう。
雑誌にしろ何にしろ、たくさんの情報の中から真実を読み取るのは難しいですが、この手の記事は2〜3割値引いて読んでみてはどうでしょうか。