クラフテッドWorldへようこそ

このコーナーは自転車に関するさまざまな事柄を、いろんな角度からお話するページです。
皆様にとって、役立つ事から、全く役にたたない事までさまざまです。
その内容によっては、読者の皆様の中で批判、反論をお持ちになられる方もおられるでしょうが、ご容赦下さい。あくまでも私からの一方通行のお話ですので。


第14話「無理なものはムリ!

最近、女性の方も良く御来店されます。また、御夫婦でサイクリングを という方も多く見受けられます。一般的に女性の方は男性より身長が低めで、140cm台〜155cm前後の方も多く自転車を見に来られます。通常最も選択の幅が多く、市場性があるものは、「ロードレーサー」にしろ「クロスバイク」にしろその車輪径は700Cサイズが一般的です。これは私の持論ですが、自転車がいわゆる「スポーツサイクル」として認められる要素として「サドル高さがハンドル位置より同じかまたはそれ以上である事」が条件だと思います。上半身の筋肉を有効に活用し、サドルへの体重の負担を軽減し、ハンドリングのための抑えも有効に機能させ、突発的な危険回避のための予備体勢を取りやすくさせ・・・云々
同じ人間なのに車輪サイズが違うなんて・・・そんな心理もわからないわけでは有りませんが、身長は変わっても車輪径は変わりません!
メーカーも最近はユーザーに媚びて(?)身長の低い方用にフレームサイズを小さくしたモデルを出してきています。でもそれは単にシートピラーがフレームパイプからより突き出たように見せるだけの物です!フレームサイズは小さくできても、車輪径が変わらないうちは前フォークの寸法にも変わりが無く、前輪回りの関係寸法はフレームサイズに関係なくて、小さく出来ません。つまりハンドル高さには下限があるということです。
一般的に700Cサイズの車輪径自転車の場合、身長155cm以下の場合は適正サドル高さに対してハンドル位置(高さ)を低く出来ないのです。

下の写真は某女性用クロスバイクのメーカー提供の画像です。サドル高さとハンドル高さはほぼ同一で、スポーテイーなシルエットです。

下の写真は同一の自転車の最小サイズSです。身長148cmの女性のお客様です。地面への足つき性は両足ののつま先がやっと着くという状態のセッテイングです。
ハンドルステム下の4cm分のスペーサーを全部抜き、さらにステムを逆向きにして前下がりセッテイングにして・・・これだけやってもサドル高さよりハンドル位置が高くなってしまいます。これ以上の方策は有りません。



↓ ノーマルのハンドル幅は630mmもあります!乗り手の体格を考慮して当方で540mmまでカットして短くしています。以前にも述べましたが、ハンドル幅600mmを超えると日本では道路運送車両法違反です!メーカー、輸入業者はそんな事に無頓着!!

これまでのお話しのように、身長の低い方やスモールサイズの自転車で注意を払うべきはまず「ハンドル高さがどうなるのか?」という事、それから「”フロントセンター”をどうやって確保しているか?」の2点です。この2点に関して、小さいサイズはどうしてもジオメトリーに無理がかかります。車輪径や”見てくれ”を重視するあまり、大変乗りにくいものになってしまっては、主客転倒です。
私はそんなお客様に「無理なものはムリ!」と苦言を申し上げるわけです。
↓ 身長151cmの女性の方の26インチロードレーサーです。見た目もそれなりのバランスが取れていると思いますが・・・



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