クラフテッドWorldへようこそ

このコーナーは自転車に関するさまざまな事柄を、いろんな角度からお話するページです。
皆様にとって、役立つ事から、全く役にたたない事までさまざまです。
その内容によっては、読者の皆様の中で批判、反論をお持ちになられる方もおられるでしょうが、ご容赦下さい。あくまでも私からの一方通行のお話ですので。


第2話 「小さな大物」

ロードレーサー用キャリパーブレーキに付属しているギザギザのワッシャ見たことがおありですか?
ブレーキの固定ボルトに装着して、フレーム、フォークとブレーキ本体のセンター(中心)がずれないようにするための直径1cm位の小さくて薄い座金で通称「ギザワッシャ」と呼ばれています。
この座金は無いと危険かと言うと、無くてもさほど安全上の問題は有りませんが、無いとブレーキのセンターが狂いやすく、時にはブレーキシューがリムに片当りしてしまい車輪の大きな回転抵抗となります。ブレーキ本体はフレーム,フォークにしっかりと固定されていても、制動の際に大きな力が加わる場所なのでブレーキのフレーム,フォークに対する固定力は知らないうちに低下してしまいます。その時にこの座金が無いと、ブレーキ本体のセンターは簡単にずれてしまい、ブレーキの片効きが起こります。
この座金のギザギザ自体は何の意味もないのですが、座金の製作段階でギザギザ加工を施す際に座金の面と垂直な方向に「バリ」と呼ばれる鋭角な突起が、円周にできます。この「バリ」が重要なポイントです。この「バリ」がフレーム、フォークとブレーキの貫通ボルト双方に食い込みお互いをガッチリ固定するわけです。
部品メーカー「シマノ」の製品では、最上級のデュラエースにのみ標準装備されていますが、スモールパーツとして1枚100円前後で販売もされています。(当店では下位ランクのブレーキにも追加して組み込んでいます)
イタリアの「カンパニョロ」社のブレーキには下位ランクのものまでこの座金は標準装備されています。これは、メーカーの理念の違い(?)でしょうか。

もしあなたが、ロードレーサーを買ったり、ブレーキを交換した時、何も言わずにだまってこの座金を付けてくれるショップは本当の意味で「プロショップ」です。たとえ値引きしてもらえなくても、きっちり工賃を取られたとしても、座金代をちゃっかり上乗せ請求されたとしても、理解してあげてください。全てあなたの為なんですから。



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