クラフテッドWorldへようこそ

HP上で私が書いて行く内容は、年代別に順を追ってお話をするわけではないので、判りづらいところも多々あると思います。少しでも全体の流れをご理解しやすいように、当時の最上級コンポ「シュパーブ」に焦点をあて、時代を区分してみました。これより以前の70年代前期さらにそれ以前の時代については、私もまだ入社しておらず、話の種になるような話題も自分自身ほとんどありません。このへんをご理解頂いて、このコーナーを読んでいただければ、幸いです。


サンツアーストーリー

 

第7話 『開発競争時代の戦術』

長い間ブランクがありましたこのコーナーですが、今回は軽いジャブ級の話です。
サンツアーがまだとても元気で、シマノと熾烈な開発競争を展開していた頃のお話です。
お互い、ライバルメーカーの動向はとても気になるもので、可能性が有りできる事はなんでもやると言うのが、企業間の厳しい戦いの実情です。
写真上のシマノのモデルは当時のトップレンジのもので、どちらも部品の一部分にガンメタ色に着色されたパーツで組み立てられています。写真下のサンツアーのGPXの場合も同様です。こうやって並べてみるとちょっと見、良く似ています。これは偶然ではありません。サンツアーが故意に似せたのです。

ライバルメーカーのトップレンジの商品に似せて、自社のミドルランク以下の商品をモデファイさせる事は他業界では結構あるようですが、比較的おとなしい自転車業界で、このような手段がとられた事はめずらしいことでした。オリジナリテイを誇示しながら、一方ではライバルメーカーを利用するしたたかさと言うところでしょうか。
この戦術は相手のトップレンジ商品のイメージをダウンさせ、自社のミドルレンジの商品のイメージをアップさせると言う一石二鳥の効果があります。
サンツアーのトップレンジの「シュパーブ プロ」シリーズはカラーを使わないアルミのマテリアルカラー一色(現在のシマノやカンパのコンポがそうです)でした。


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